大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋地方裁判所 平成8年(ワ)2472号 判決

原告

有限会社陽明産業

ほか一名

被告

西尾光明

ほか一名

主文

(被告西尾光明に対する請求について)

一  被告西尾光明は、原告有限会社陽明産業に対し、金二九〇万二二六二円及びこれに対する平成七年八月一日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告有限会社陽明産業の被告西尾光明に対するその余の請求を棄却する。

三  被告西尾光明は、原告日動火災海上保険株式会社に対し、金二〇五万九六四〇円及びこれに対する平成八年一月一一日から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

四  原告日動火災海上保険株式会社の被告西尾光明に対するその余の請求を棄却する。

(被告日本火災海上保険株式会社に対する請求について)

五 原告有限会社陽明産業及び原告日動火災海上保険株式会社の被告日本火災海上保険株式会社に対する請求をいずれも棄却する。

(訴訟費用について)

六 訴訟費用は、これを二分し、その一を原告有限会社陽明産業及び原告日動火災海上保険株式会社の負担とし、その余を被告西尾光明の負担とする。

(仮執行宣言について)

七 この判決は、第一項及び第三項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

(以下においては、原告有限会社陽明産業を「原告陽明」と、原告日動火災海上保険株式会社を「原告日動火災」と、被告西尾光明を「被告西尾」と、被告日本火災海上保険株式会社を「被告日本火災」とそれぞれ略称する。)

第一原告らの請求

一  被告西尾に対する請求

1  被告西尾は、原告陽明に対し、金三六四万六三〇二円及びこれに対する平成七年八月一日(本件不法行為の日)から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

2  被告西尾は、原告日動火災に対し、金二五六万七〇五〇円及びこれに対する平成八年一月一一日(保険金支払の日の翌日)から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告日本火災に対する請求

原告らの被告西尾に対する本判決が確定したときは、

1  被告日本火災は、原告陽明に対し、金三六四万六三〇二円及びこれに対する平成七年八月一日(本件不法行為の日)から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

2  被告日本火災は、原告日動火災に対し、金二五六万七〇五〇円及びこれに対する平成八年一月一一日(保険金支払の日の翌日)から支払済みに至るまで年五分の割合による金員を支払え。

【訴訟物―〔被告西尾に対する請求〕

民法七〇九条に基づく損害賠償請求権及び民法所定の遅延損害金請求権。

〔被告日本火災に対する請求〕

保険契約に基づく損害賠償請求権及び民法所定の遅延損害金請求権。】

第二事案の概要

本件は、交差点において、直進していた訴外中嶋勝春(以下「訴外中嶋」という。)運転の大型ダンプ(原告陽明所有)が、被告西尾運転の軽四貨物自動車が突然右折発進したことから、これを回避しようとして信号柱に衝突したとして、原告らが、まず、被告西尾に対して、右ダンプの修理費用等及び信号機の破損修理費用等につき、民法七〇九条に基づき損害賠償を請求し、さらに、被告西尾に対する判決の確定を条件として、被告日本火災に対して、保険契約に基づき(訴外小倉建造〈以下「訴外小倉」という。〉との間の保険契約においては、被告西尾は許諾被保険者に該当するとして。)、右と同一の損害につきその損害賠償を請求した事案である。

一  前提となる事実

1  事故の発生(争いのない事実)

原告陽明は、次の交通事故により自動車損壊の被害を受けた(以下、右事故を「本件事故」という。)。

(一) 日時 平成七年八月一日午前九時一五分ころ

(二) 場所 岐阜県土岐市駄知町八六二番地一先の道路上

(以下「本件道路または本件交差点」という。)

(三) 加害車両 軽四貨物自動車(岐阜四一か五六)

(以下「被告車」という。)

右運転者 被告西尾

右所有者 訴外小倉

(四) 被害車両 大型ダンプ(尾張小牧一一む四三〇三)

(以下「原告車」という。)

右運転者 訴外中嶋

右所有者 原告陽明

(五) 事故態様 本件交差点において、直進していた原告車と、右折発進した被告車が衝突しそうになった。(接触はしていない。)

2  被告西尾の責任原因(被告西尾本人、弁論の全趣旨)

被告西尾は、安全運転義務違反の過失があるから、民法七〇九条に基づき、本件事故により原告らの被った損害を賠償すべき責任がある。

二  原告らの主張

1  被告日本火災の責任原因について

(一) 被告日本火災は、被告車につき、訴外小倉との間で、本件事故日を保険期間とする自動車保険契約(対物保険)を締結していたものであるところ、右保険契約に適用される自家用自動車総合保険普通保険約款上、損害賠償請求権者から保険会社に対する直接請求権が認められており、被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被保険者と損害賠償請求権者との間で判決が確定したときは、保険会社は、損害賠償請求権者に対して損害賠償額を支払うものと定められている。

(二) 訴外小倉は、被告車の所有者であるが、訴外小倉と被告の妻同志が姉妹の間柄にあるところから、訴外小倉宅の車庫に鍵をつけたまま駐車してある被告車を、被告西尾が、自己の用途に自由に使用することを、日頃から許容していたものであり、本件事故の際も、被告西尾は、訴外小倉の包括的使用許諾のもとに、訴外小倉宅の車庫から被告車を運転して乗り出して本件事故を起こしたものである。

本件の経緯によれば、事前に「明示の承諾」を与えていなかったとしても、訴外小倉の「黙示の承諾」ないしは「事後の承諾」があったものと解されるべきである。

(三) 仮に、被告日本火災に対する直接請求権が認められないとしても、被告西尾は、本件保険契約に基づき、被告日本火災に対して本件損害賠償債務及び求償債務について保険金請求権を有しながら、その保険金の請求をしないので、原告らは、被告西尾に対する損害賠償請求権及び求償債権を保全するため、被告西尾の被告日本火災に対する右保険金請求権を、民法四二三条により、代位行使する。

2  本件事故の態様について

本件事故は、被告西尾が、無免許で、しかも慣れない車を運転していたため、注意力散漫の状態で、前方注視を欠いたまま青信号のみを確認して右折発進したことが原因で発生したものであるから、直進車である原告車に対する進路妨害という被告西尾の一〇割の過失による事故である。

3  原告らの損害について

(一) 原告陽明(合計金三六四万六三〇二円)

(1) 原告車の修理代 金三一六万〇三二八円

(2) 原告車の休車損 金一五万五九七四円

金一万一九九八円(一日当たりの原告車の収入)×一三日(原告車の修理期間)

(3) 弁護士費用 金三三万円

(二) 原告日動火災(合計金二五六万七〇五〇円)

(1) 求償金 金二三三万七〇五〇円

原告日動火災は、原告陽明との間で、原告車につき、本件事故日を保険期間とする対物保険金額金一〇〇〇万円の自動車保険契約を締結していたが、本件事故により、原告車が岐阜県公安委員会所有の信号機を破損し、原告陽明が、使用者責任に基づき、訴外岐阜信号施設株式会社に対して、交通信号機復旧工事代金として金二三三万七〇五〇円の損害賠償債務を負担したので、原告日動火災は、平成八年一月一〇日、同訴外会社に対し右金額の保険金を支払い、商法六六二条の保険代位により、その求償権を取得した。

(2) 弁護士費用 金二三万円

三  被告らの主張

1  被告西尾の主張

(一) 本件事故の態様について

訴外中嶋にも相当な過失がある。

(二) 責任原因について

私が運転していた被告車は、訴外小倉の許可のもとに使用していたものである。

2  被告日本火災の主張

(一) 被告日本火災の責任原因について

(1) 被告日本火災と訴外小倉が締結した契約は、自動車総合保険(SママAP)であって、自家用自動車総合保険(PママAP)ではない。原告ら主張の自家用自動車総合保険普通保険約款第一章賠償責任条項第八条は、SAPに適用されるものであって、PAPには適用されないし、PAPに適用される普通保険約款には、同条のような直接請求権を定めた規定は存在しない。

(2) 被告西尾と訴外小倉とは、本件事故前一年半以上も行き来がなく、本件事故については、被告西尾は、訴外小倉所有の被告車を盗用(無断借用)したものであって、被告西尾が訴外小倉から被告車を借りることの承諾を得ていたことはありえない。

(二) 本件事故の態様について(過失相殺)

原告車は二トンもの積載オーバーをし、訴外中嶋は、対向車線で右折しようとしていた被告車を確認しているのであって、被告車が先に右折する可能性も想定していたにもかかわらず、時速四〇ないし五〇キロメートルの高速で本件交差点に進入したものであって、これらの事実によれば、本件事故については、訴外中嶋にも少なくとも四割の過失があるものである。

四  本件の争点

被告らは、本件事故についての態様を争って、前記のとおりの過失相殺を主張し、さらに、原告の損害額についても争う。

また、被告日本火災は、その責任原因についても争う。

第三争点に対する判断

一  原告らの損害額について

1  原告車の修理費用について(請求額金三一六万〇三二八円)

認容額 金三一六万〇三二八円

前提となる事実及び証拠(甲第五号証、甲第九号証、原告陽明代表者山本泰広本人、弁論の全趣旨)によれば、原告車は、本件事故により損壊したことから、その修理をしなければならなくなり、本件事故と相当因果関係を有する原告車の修理費用は、金三一六万〇三二八円であると認めるのが相当である。

2  原告車の休車損害について(請求額金一五万五九七四円)

認容額 金一三万円

前提となる事実、前掲の各証拠及び証拠(甲第一〇号証、弁論の全趣旨)によれは、本件事故と相当因果関係を有する原告車の休車損害は、金一三万円(一日当たり金一万円×一三日)であると認めるのが相当である。

3  原告日動火災の求償金の損害について(請求額金二三三万七〇五〇円)

認容額 金二三三万七〇五〇円

前提となる事実、前掲の各証拠及び証拠(甲第六号証の一、二、弁論の全趣旨)によれば、原告らの主張3の原告らの損害についての(二)の原告日動火災の(1)の求償金の主張事実を全て認めることができる。したがって、本件事故と相当因果関係を有する損害として、原告日動火災主張の右求償金の損害額は、金二三三万七〇五〇円であると認めるのが相当である。

二  本件事故の態様及び過失割合について

前記の前提となる事実に、証拠(甲第一号証、甲第二号証、甲第七号証、甲第八号証の一、二、証人中嶋勝春の証言〈後記の採用しない部分を除く。〉、被告西尾本人の供述〈後記の採用しない部分を除く。〉、弁論の全趣旨)を総合すると、次の事実を認めることができる。

1  本件事故の態様は、

訴外中嶋は、原告車を運転して、本件道路(ほぼ東西に走る片側二車線の県道)を西から東に向けて毎時約五〇キロメートルで進行して本件交差点に接近して来た際、その対面する信号機は赤色表示で、本件交差点の対向車線の右折車線内で、被告西尾運転の被告車が信号待ちのために一時停止しているのを認めたこと、

その後、原告車が本件交差点の手前約五〇メートル付近に接近したときに、その対面する信号機が青色表示に変わったことから、訴外中嶋は、そのまま一時停止することなく本件交差点を通過しようとしたところ、被告車が、右のとおり信号機が青色表示に変わると同時に発進して、本件交差点の中央部分に進行したこと、

訴外中嶋は、被告車が本件交差点の中央部分で一時停止するものと思い、そのまま進行したところ、至近距離に至るも被告車はそのまま右折進行して原告車の進行車線上に進入してきたため、危険を感じた訴外中嶋は、急制動の措置を執るとともにハンドルを左に切って衝突回避の措置を執ったところ、原告車の左前方に逸走して、原告車の左前部が、本件交差点の東北角の歩道上に設置されていた信号柱に激突して、これを根元から押し倒して原告車はその付近に停止したこと、

なお、被告車は、原告車がその前をすれ違って通過する直前に停止できたために、原告車との衝突は回避されたこと、〈右の認定に反する証人中嶋勝春の証言、被告西尾本人の供述は、前掲の各証拠に照らして、いずれも採用できない。〉

2  以上で認定した諸事実及び前掲の各証拠を総合すれば、本件事故においては、

被告西尾は、本件交差点を直進して来る車両の進行を妨害しないように、本件交差点の中央部分において完全に停止して、直進車の通過を待ってから右折進行するなどして、進路前方(対向車線)の安全を十分に確認し、事故の発生を未然に防止すべき注意義務があるのに、これを怠り、漫然と被告車を走行させて右折進行したものであり、被告西尾の右の過失は重大なものであること、

他方、訴外中嶋においても、原告車を運転して前記のとおり本件交差点を通過するに際しては、事前に右折進行していた被告車の存在を認識していたのであるから、その速度を減速して、右被告車の動静を十分に注視して走行するなどして、進路前方(対向車線)の安全を十分に確認し、事故の発生を未然に防止すべき注意義務があるのに、これを怠り、漫然とそのまま通過できるものと軽信して原告車を走行させてしまった過失があることも明らかであること、

したがって、以上認定の諸事実を総合すると、本件事故における過失割合は、被告車(被告西尾)が八割、原告車(訴外中嶋)が二割と認めるのが相当である。

三  被告西尾の責任原因について

前記の争いのない事実及び前記二の認定事実によれば、被告西尾は、民法七〇九条に基づき、本件事故により原告らの被った損害を賠償すべき責任があることは明らかである。

四  被告日本火災の責任原因について

1  被告西尾が被告車を運転するに至った経緯について

まず、被告西尾が被告車を運転するに至った経緯について検討するに、前記の前提となる事実に、前掲の各証拠及び証拠(乙第一号証、丙第三ないし丙第九号証、被告西尾本人の供述〈後記の採用しない部分を除く。〉、弁論の全趣旨)を総合すると、次の各事実を認めることができる。

(一)(1) 被告西尾は、本件事故当日である平成七年八月一日の午前七時四〇分ころ、訴外小倉に話をしたいことがあったことから、とくに事前に連絡することなく、訴外澤田タクシー(訴外田中宏明運転手、以下「訴外田中」という。)で訴外小倉宅に出掛けたが、同宅は留守で誰もいなかったことから、もう一度訴外澤田タクシーに連絡して迎えに来てくれるように依頼したこと、

(2) ところが、同タクシーがなかなか来ないために、被告西尾は、訴外小倉宅の周囲をぶらぶらしていたところ、鍵の付いたままの被告車が駐車されているのを見つけて、右のとおり、同タクシーはなかなか来ないし、気持ちもイライラしていたため、また後で訴外小倉宅まで返しにくればいいと考えて、自宅まで被告車に乗って帰ろうとして、被告車を運転して出発し、結局は本件事故を起こしたこと、

(二)(1) 他方、訴外小倉は、本件事故当日である平成七年八月一日の午前一一時ころ、仕事先の現場にいたところ、訴外小倉所有の車のことで聞きたいことがあるので、直ちに警察に連絡するようにとの電話連絡を受けて、警察に架電したところ、警察官から、本件交差点(駄知町)での本件事故のことを知らされ、被告車を運転していなかったか、事故になりそうにならなかったかなどと尋ねられたが、自分は本件事故当時は岐阜県多治見市の工事現場におり、本件事故現場(駄知町)には行っていないこと、また、被告車は自宅の前に駐車させてあり、本件事故のことは何のことかまるで分からない旨答えたこと、

なお、その後に、警察官が訴外小倉宅を確認しても被告車がなかったことから、再度、警察官が訴外小倉に問い合わせたのに対して、訴外小倉は、自分が朝出勤するときは被告車はありましたが、その後誰が運転しているのかは分からない旨の回答をしたこと、

(2) また、前記の警察との電話連絡において、訴外小倉は、警察官から、訴外澤田タクシーに乗って訴外小倉宅に来た者が被告車に乗って行ったようであり、訴外田中が駄知町の西尾という者だと言っているが誰か知らないかと尋ねられたことから、駄知町の西尾といえば親戚である被告が住んでいるので、被告(西尾光明)のことではないかと答えたこと、

(三) さらに、訴外澤田タクシーの訴外田中は、本件事故当日の朝、被告西尾を訴外小倉宅まで送ったが、その帰りに無線により、再度被告西尾を訴外小倉宅に迎えに行くようにとの連絡があったので、すぐに引き返して、被告西尾を降ろした場所で五分ほど待っていたが、誰も来なかったのでそのまま会社に戻ったこと、

(四) 被告西尾は、その妻と別れた平成六年一月ころまでは、訴外小倉とは親戚付き合いをしていたが、その後は本件事故当日までは全くその行き来はなく、、何の交際もしていなかったこと、

〈右の認定に反する被告西尾本人の供述は、前掲の各証拠に照らしてこれを採用できない。〉

2  許諾被保険者について

以上1で認定した諸事実及び前掲の各証拠並びに弁論の全趣旨を総合すれば、被告西尾は、訴外小倉所有の被告車を盗用(無断借用)したものであって、被告西尾が訴外小倉から本件事故当日に被告車を借りることの承諾を得ていた事実はとうていこれを認めることはできない(事前の承諾の事実はないばかりか、黙示の承諾及び事後の承諾のいずれの事実も認められない。)。

したがって、被告西尾が、訴外小倉と被告日本火災との間で締結していた自動車保険契約における「許諾被保険者」に該当しないことは明らかである。

3  以上のとおりであるから、原告らの被告日本火災に対する本件請求は、その余の事実について判断するまでもなく、その理由がない。

五  具体的損害額について

そうすると、前記一で認定のとおり、本件で原告らが被告西尾に対して請求しうる損害賠償の損害額は、原告陽明につき合計金三二九万〇三二八円、原告日動火災につき金二三三万七〇五〇円であるところ、前記二で認定の過失割合による過失相殺をすれば、各原告の具体的な損害賠償請求権は、原告陽明につき金二六三万二二六二円(一円未満切り捨て、以下同じ。)、原告日動火災につき金一八六万九六四〇円となる。

六  弁護士費用について(請求額、原告陽明につき金三三万円 原告日動火災につき金二三万円)

認容額 原告陽明につき金二七万円

原告日動火災につき金一九万円

本件事故と相当因果関係のある弁護士費用相当の損害は、それぞれ原告陽明につき金二七万、原告日動火災につき金一九万と認めるのが相当である。

七  結論

1  原告らの被告西尾に対する請求について

以上によれば、原告らの被告西尾に対する請求は、原告陽明については金二九〇万二二六二円と右金員に対する本件不法行為の日である平成七年八月一日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で、原告日動火災については金二〇五万九六四〇円と右金員に対する本件保険金支払の日の翌日である平成八年一月一一日から支払済みに至るまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度でそれぞれ理由がある。

2  原告らの被告日本火災に対する請求について

以上によれば、原告らの被告日本火災に対する請求はいずれもその理由がない。

3  よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 安間雅夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例